私は、14年間京都で革製品を作る仕事をしていました。
そこで、日本からもの作りの仕事がどんどん減っていく現状を目の当たりにしてきました。
数十年前から、製造業の海外流出が始まり、20年ほど前からそれが中小企業でも起こりました。これはある意味当然な流れで、人件費が日本に比べ20分の1程度で済むわけなので、企業はこぞって海外生産を進めました。(現在は10分の1程度に縮まってきていると思 います。)
この製造業の海外流出は賛否両論あり、単純に良い、悪いでは判断することができません。 しかし、もの作りをしてきた私達にとって、それはやはり寂しいことでした。 そして、海外生産されたものが日本に入ってきて、それが本当にいいモノかというのに私は疑問がありました。 また、私は、もの作りの仕事をする前に6年間営業の仕事をしておりました。
営業の仕事というのは常に新しい人に出会い、刺激を受けるので、人間的に成長のできる素晴らしい仕事です。 一方もの作りは、常に自分と向き合いながら仕事をします。地味で、少しずつしか上達していきません。 しかし、営業とはまた違った角度で成長していける素晴らしい仕事だと思います。そういった素晴らしい仕事が日本から無くなっていくのに、何か非 常にやるせない気持ちを持っておりました。
今の若い方の中にも、もの作りをやりたいという熱い気持ちの持った方もいらっしゃいます。 しかし、日本での生産を増やしていいかない以上、採用することはできません。それが私には、非常に辛かった。 しかし、日本で製造をして、20分の1、10分の1の人件費の国と競争をして勝てるのか?そんなことを私はいつも考えていました。
そこで、出会ったのが、2012年に発行されたクリスアンダーソンの「MAKERS」です。 デジタルファブリケーションと従来のもの作りを融合していけば、新しいもの作りが日本でできるのではないかと私は考えました。
※デジタルファブリケーションとは・・・3Dプリンターやレザーカッターなど、パソコ ンにつないで加工ができる機器。
そして、いろいろな方の紹介で、大阪にあるFABLABにたどり着き、実際にデジタルファブリケーションを使い、何ができるかを試しました。大量生産では、絶対に海外生産には勝つことができない。しかし、オーダーメイドの商品となると価格が高くなりすぎて、一定の数を販売することができない。しかし、このデジタルファブリケーションを使ったもの作りは、大量生産とオーダーメ イドの中間くらいで、もの作りができるのではないかと感じました。ある程度価格を抑えながらオンリーワンの商品をお客様に届けることができるのではないかと思っています。
この方法を使い、人の心と心を繋ぐもの作りができれば、安価な海外生産と戦っていくことができるのではないかと考えています。もうこれ以上の大量生産は限界にきていると思いますし、また、それを求めているとも思えません。 もっと自分らしい生活、自分にあったモノを使う。更にもう一歩踏み込んで、自分が少し手を加えたモノに囲まれて生活をしたいという人が増えています。
Cogocoroプロジェクトの先に、新しいもの作りの価値の提案があるではないかと私は考えています。

< 自己紹介 田中秀樹 >

10代の後半から20代前半にかけて、さまざまな場所へ旅をしました。
趣味が高じて旅行会社へ就職。約6年間旅行会社で営業の仕事や添乗員の仕事をしました 。
そこで本当にたくさんの人と出会い、社会人としての基礎を学びました。
その後、革に興味を持ち、革職人なるために退職。
またまた、一人旅に行き自分の人生を改めて考えることになりました。
運よく日本で革製品を作っている会社へ就職。14年間、その会社で革製品を作る仕事はもちろん、イベントや組織運営など、さまざまな仕事を経験しました。
製造面では、レザーアイテムの製作、オーダーメイドジャケットやバッグの製作、パターン作成などを得意としています。
2015年、デジタルファブリケーションを使った新しいもの作りをするために、会社を退職 、そして起業しました。

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